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INTERVIEW託す手。

託す手。

道は長い。日々の成長も、
家づくりも、人生そのものも。

苦楽を共にする人たちがいる。
皆何かを託されて、その手を誰かと繋ぐ。
一期一会が一生ものの縁になる。

顔写真

建築部 施工管理
2021年入社

J・M さん

J・M
 

自ら懐に飛び込んで
新入りから盟友に。

 建築業界に足を踏み入れたのは、18歳。「少しやんちゃでした」と、J・Mさんは苦笑いしながら、当時を振り返る。
「現場に新入りが来ると、迎える方も身構えます。雄同士ですからね(笑)。私も生意気盛りだったから、職人さんたちを相手に食いついたり、怒鳴りあったり。こうして欲しいと頼んでも、自分はこういうやり方だからと、最初は頑なに言うことを聞いてくれないんです。でも、諦めずにあの手この手で一生懸命意図を伝えると、なんとなく耳を傾けてくれるようになる。わかってもらえた時はうれしくて。そんなやりとりを繰り返していると、今度は職人さんの方から『こうした方が良いよね?』と歩み寄ってきて、ようやく腹を割って話せるようになるわけです。今では現場の納まりのことで大工さんに『これはどうやったっけ?』と電話で相談すると、自分の持ち場じゃなくても、親身になってアドバイスしてくれることも。自分から相手の懐に飛び込むことは大事ですね。本当は、そういうのはあまり得意ではないんですが」

譲れないプライドと
目には見えない確信と。

 職人たちはプライド集団。他の人には些細なことでも、自分のやり方や心持ちに沿わないことには首を縦に振らない。ただ、やっているだけじゃない。職歴職務を問わず、いい加減な仕事はしたくないという自負が各々にある。
「同じような住宅でも心得のある者が見ると、この人はこういう所にこだわっているんだなと、すぐ分かる。住む人には気づかれなくてもいい、誰に知られなくても本人にとっては絶対譲れないことがあって、そういう小さなことの積み重ねに皆が全力で集中している。私も技術職ですから、彼らの熱気は肌で感じています。それぞれの工程を見守りながら、進捗を見計らいながら、折々に声をかけて工期内に完成させるのが、施工管理の醍醐味です」
 中高時代は器械体操に励んだ。鉄棒、吊り輪、床、鞍馬、平行棒。競技では、技術力と演技力が評価される。しかし、個々の試合の内容や体のコンディションは、失敗か、成功かの判断基準とは別次元で、自分にしかわからないゾーンがあるという。
「家づくりでも、同じようなゾーンを感じることがあります。心地よい感覚といえば良いのでしょうか。工事がまだ走り出しでも、良い家になりそうだと思う確信に近い感覚です。もちろん、アート建工としてはどうだ? ブランドに反してはいないか?と、立ち止まることもありますし。そういう心地よい空間は、見た目ではわかりません。言葉でも言いがたい。失敗はありえませんが、かといって難なく建てることだけが成功ではないと思ってます。納得のいく家づくりが、お客様の幸せに直結する。お引き渡し前の検査の日は、背筋がピンとします。この手に託されたものは、思うより大きいと痛感するからです」

仲間と手を携えて。
信じる道が、進むべき道。

 公共施設や大型店舗の建設に関わることも多かった地場ゼネコン時代は、時間に追われる日々だった。夕方、現場から事務所に戻ってデスクワークをしているうちに日が変わり、家路に着くのは2時、3時。それでも8時には出社する。2か月間1日も休みなしのハードなプロジェクトもあった。J・Mさんは、建築業はそういうものだと自分に言い聞かせた。こんな有り様では、良い仕事はできないと思いながらも。
「その頃は公共工事と住宅を少人数でこなすワンオペ状態だったので、相談する人もおらず、孤軍奮闘していました。今は何でも話せる仲間がたくさんいます。アート建工は分業体制がしっかりしていて、各自が持ち場を与えられながらも、業務領域を超えた横のつながりもある。同年代も、上司でも、何か問えばすぐに返事が返ってきます。心強い味方を得た感じです」
 人は人に学ぶ。その学びを、想いを分かち合う誰かに伝えていく。J・Mさんはアート建工というこのフィールドが、さらなる長旅の始まりなのだと感じている。
「経験してきたすべてのことが、私という人間を形作ってきた。だから、自分を信じています。道を誤ったこともありますが、後戻りしながらでも、選んだ道を潔く、まっすぐ進んでいきたいです。今は毎日、現場に出るのが楽しくて。かつてないほどワクワクしてますよ」

MORE QUESTION

いつまで現役でいたい?

年齢でいえば、あと20年あるのかなぁ、どうかなぁ……。子供もまだ中学生と高校生なのですが、「大学、行かせたいでしょ?」と、社長が家族のことまで心配してくれて……ありがたいことです。できる限り、現場に立っていたいとは思います。学びに終わりはないですし、時代に置いていかれないように頭を切り替えて、若い人にも負けんように。目標は、キング・カズ(笑)。まだまだ、がんばらんといけんね。